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広島高等裁判所岡山支部 昭和24年(を)397号 判決

被告人

鈴木一男

主文

原判決を破棄する。

被告人を罰金五万円に処する。

右罰金を完納出来ないときは金弍百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

理由

弁護人軸原憲一の控訴論旨第二点について、

原判決は所論の様に国内産大豆未検査品の販売価格の統制額を定めた昭和二十三年十一月一日物価庁告示第千百四号を罪となるべき事実欄の中に記載し、法令の適用欄には記載してないが刑事訴訟法第四十四条には裁判には理由を附しなければならぬと規定し、同法第三三五条には有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならぬと規定してあり、有罪の裁判をする場合には、理由を附し其の理由中に罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならないけれども、之を示す方法順序に付ては何等の規定なく、従つて其の理由中に之等の要件が備つて居ればよく、原判決は法令の適用とした部分には前記告示の記載がなくても罪となるべき事実とした部分に記載してあり、理由全体として右告示を適用したことは明らかで何等前記法律に違反した点はない。

(註 本件は量刑不当により破棄自判)

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